ピアフの伝記をあらかじめ知っておいてから見たほうがいいのか、そのまま見たほうがいいのか。
判断に苦しむところですが、私は何の予備知識もないまま見にいって、ある意味正解だったかなあ、と思います。
ただ、劇中の時間軸があちこち錯綜しますので、そういう構成が苦手な方は、ピアフの年代記を頭に入れてから見に行くことをお勧め。
映画の中で語られることは本当に沢山あって、まだまだ頭の中で整理しきれないのですが・・・
父親の愛情。
母親代わりの娼婦たちの愛情。
師の愛情。
友人たちの愛情。
恋人たちの愛情。
どんな状況の中にあっても、ピアフの周りには常に愛情があって、またピアフもその愛情の存在を強く意識して生き続けている。
一言で言ってしまえば、そんな気がしました。
目が見えなくなったり、薬漬けになったり、そんなときでも愛情をの存在を意識することって、なかなか出来ないのではないでしょうか。
そんなピアフが、最愛の人を喪った時の狂乱。
まさしく「狂乱」で、取り乱し、立ち上がれないほど打ちひしがれるのですが・・・彼女はそんなときでも彼女はステージに立つのです。
もしかしたら、そんなときだからこそ、ステージに立つのかもしれません。
凡人なら、「悲しみのあまり歌えない」のですが、ピアフの場合「歌わないと生きていけない」。
「どんなときでも歌わなければならない」という義務感ではなく、「歌っていないと呼吸できない」という本能。
ああ、これが真の天才であり、天才ゆえに味わう孤独なんだ。
そしてその才能を試すかのように、次々押し寄せる試練。
その怒涛の人生のなかで、ピアフが、
「これこそ、私が求めていた歌。これが私の歌」
といい、クライマックスに歌い上げる「水に流して〜Non, rien de rien」が流れ始めると、客席は水を打ったように緊張感で静まり返っていました。
いいことも悪いことも私にとっては同じこと。
私は人生を後悔していない。
見終わってから頭の芯が熱くなり、映画館でアホの子のようにだだ泣きしてしまいました。
まだ、頭の中で劇中歌がくるくる回っています。
どうにもうまく感想がまとまりませんが。
なぜ「愛の賛歌」という歌が後世まで伝わるほどに心打つ歌なのか。
この映画を見ればきっと理解できるんじゃないかと思います。
頭じゃなくて、魂で理解できる。そんな感じ。
2時間20分あるそうですが、あっという間でした。
お勧めの映画です。