2017年06月18日

地唄舞のこととお返事集、の巻

■さて、前回の「銀座で能を見てきました、の巻」でやけに思わせぶり(笑)な引きで終わらせてしまい、ちょっと気を持たせたようになってしまいましたが。
本当に、無知な人間にとっては「知る」という楽しみがまだまだあることは生きている甲斐があるというか、脳みそへの快楽につながるものだなぁ、とつくづく感じた…そのきっかけが「お能を見たこと」にあったことは間違いがありません。
その「知る」楽しみにつながるには、ちょっとお話を過去に戻ることになります。

■とあるパーティで、私はその方と初めてお目にかかりました。
その時その方がお召しになっていたお着物があまりに素敵で、また着こなしも大層粋で美しくていらっしゃったので…ありていに言ってしまえば、「素人には見えなかった」のです。
これは和装でいることが日常である方に違いない。
そう思って、思い切ってお声がけして名刺交換させていただいたのが、地唄舞の演者・出雲蓉さんでした。

「地唄舞」ってなんだろう?
ウィキペディアで調べても、あんまりよくわからない。
ただその方と名刺交換をして以来、公演のお知らせをいただくようになり、
「よくわからないけれど、千駄ヶ谷の能楽堂に行ってみたいし、知らないものは見てみたい!」
という好奇心に駆られて、公演に伺うようになりました。
で、実際に見てみると、唄があってお囃子があって、それに合わせて舞うんだけど、とても演劇性が高い。
一人二役があったり、時には動物の擬態を舞で表現することもある。
とにかく、見ていてとっても楽しかったのです。
正直、見る前は「寝ちゃったらどうしよう…」という心配をしていたのですが(とっていただくお席がとてもいいお席で、そんなところで寝ちゃったらどうしよう、とかなり深刻に悩んでいました(笑))、寝るなんてとんでもない。そんな間もなく、次々と目の前で繰り広げられる物語にすっかり心奪われておりました。

とりあえず、「地唄舞」の定義がどういうものかはわかんないけど、今見ているものはとても面白い!

…そういう、ごくごく単純な理由で、私は公演に通っておりました。

■そして、先日のお能の話につながります。
お能にはそれぞれに「役割」がある。「シテ」とか「ワキ」とか、「シテ」の中にも「ツレ」とか「後見」とか…「地謡」。
あれ? 「地謡」? あれか、歌ってる人たち。地唄って…ああ! これか!!!
そうなのです。私が数年にわたって「よくわからないけど、綺麗で楽しいから見てる!」と見続けていた「地唄舞」とは、もともとはこの能の「地謡」にお面をつけず、能衣装ではなく着流しを身に着け踊るもの…だったのです。
なるほど、それで能の曲と出し物が多かったのか。「敦盛」とか、「葵上」とか。
勿論、そのほかにも新作の「地唄舞」もあるのですが(特に「雪」という作品は絶品で、身じろぎもせず見入っていました)、なるほど、能がベースにあるものだったのねぇ…
ウィキペディアでみると「上方舞」という項目でまとめられており、内容を読んでもいまひとつピンとこなかった「地唄舞」が、私のなかで落としどころを見つけた瞬間でした。

20170618地唄舞.jpg
出雲蓉さんの公演のDVDです。「たぬき」もとっても楽しくて好きな演目。そしてやっぱり「雪」が見たかったので、もう一枚買ったのでした。

能だけでなく、義太夫や人形浄瑠璃からも題材をとり、それをお座敷で踊っていた…というのが元々の由来のようですね。なるほど。

というわけで、わけもわからず「楽しいから!」だけで見ていたもののバックグラウンドが、思いがけない形で私の目の前に立ち現れ、心の底から「そうだったのか!」と納得がいく…しかも数年越しで(笑)という、なかなかない体験をしたのでした。
「地唄舞」綺麗で楽しいです。機会があればぜひどうぞ。

■短くお返事集〜
>mioさん
お久しぶりです! ずっと読んでいていただいて、とてもうれしいです。
できるだけUPしようと私も思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします♪

>ちょり
カールがなくなるなんて、本当にびっくりだよねぇ。あの、上あごにくっついて食べにくいところも含めて好きだったので、とても残念。

>みこさん
いつもいつも、コメントありがとうございます!
「スラブ叙事詩」これから中国・韓国・アメリカに回る予定だそうで…保存状態とか展示状態とか、大丈夫なのか!?ってとても心配してしまいました。
お能も楽しかったです! 「タイトルロール不在の『葵上』」ってすごく前衛的ですよねぇ…かっこいいと思いました。
あと、「優しくされると戸惑ってしまうジャニーズFC」…本当にそうなんですよねぇ。宝塚もそんな感じしませんか?(笑)
シドのFCに入ったら、やけに親切で今でも戸惑っています(笑)

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posted by Lilalicht_8 at 17:35 | Comment(0) | 観劇録

2017年06月14日

銀座で能を見てきました、の巻

■4月、銀座に新しい大型商業施設ができました。それが、「GINZA SIX」。
たぶん自分にはあんまりご縁のない施設なんだろうなぁ、と思って気にも留めていなかった(笑)のですが、ふとしたことからご縁があり…
そのご縁とは、「GINZA SIXに新しくできた能楽堂でお能を見る」ということでした。

え? GINZA SIXに能楽堂があるの?
そもそものスタートはそこからでした。ああ、本当にもの知らず…
正確には、「観世能楽堂」というそう。能楽の中でも、観世流の能楽堂…らしい。

気取っても仕方がないので率直に申せば、私はお能は中学か高校かの伝統芸能鑑賞会で見たっきり。
狂言だけは独立したものを見た記憶がありますが、能と一緒に見るのは、多分それ以来。

本当にもの知らずでお恥ずかしいのですが、こんなにちゃんと、自分の意志でお能を見たのは初めてです。

■さて、先にさらっとGINZA SIXの印象を述べておけば、私は香港のショッピングモール「ハーバーシティ」を思い出しました。
勿論ハーバーシティほど大きくはないのですが、一歩踏み込むと、奥の方に長い感じがとても似ている。
あと、お店の配置の感じとか…
そういえば、この建物はいわゆる「中国人の爆買い」が話題になったころ、「銀座には観光バスを乗りつけられる大きな商業施設がない」という問題を解消するべく建てられたんだっけ。
そうすると、2階建てバスも止まれるくらいの高さと長さのあるバス停を、建物の裏側(というか内側、というか中庭、というか)に持っているのも当たり前なんだなぁ…なんて考えると、香港のハーバーシティっぽい、という私の直感もあながち間違いではない、のかな。
オープン当時(4月)は物珍しさもあってそれなりに人が入っていましたけれど、今、そして今後はどのくらい人が入るのでしょうね。
私は…あんまり関係ないかなぁ、今のところ。

■行く前のイメージ・行ってからのイメージがそんなに変わらなかったGINZA SIXですが、ここに能楽堂があったことには本当に驚きました!
今回の番組(というのですね)は、
能「葵上」
狂言「棒縛」
半能「石橋」
でした。

20170609銀座6能.jpg

事前の学習(笑)としては、成田美名子先生の「花よりも花のごとく」を一通り読みまして。
大体の役回りとか、話の内容は頭の中に入れていたつもり…でした。
つもりだったのですが、やっぱり私は「実際の能」がどういうものかわかってなかった。
判ってなかったうえで…「能って面白い!!!」と、心の底から湧き上がってくる「わくわく」した気分が止められませんでした。

特に「葵上」。
葵上ってすごいんですよ。
何がすごいって、タイトルロールであるところの「葵上」が事実上、舞台に登場しない。
舞台には一応「葵上」の存在はある。
それは、かなり舞台の客席に近いあたりに、豪奢な女性用の着物一枚がはらりとおかれているだけ。
その「葵上」を見立てている着物に向かって、第一場では巫女さんが祈りをささげているところにゆらりと貴婦人の霊が現れ、第二場ではその「着物=葵上」の頭上で鬼と化した貴婦人の霊(=六条御息所)と比叡山の横川の小聖(比叡山の横川ってところで、色々と「そうつながるのか!!」と膝を打ったのですが、それはまた別の話…)が、サイキックバトルを繰り広げる。
サイキックバトルっていくらなんでも大げさでしょう、と思われるかもしれませんが、とんでもない。
実際般若のお面をつけた六条の霊が、葵上(に見立てた着物)の上にずいっと身を乗り出すと、それを追い払うように数珠をじゃらじゃら鳴らしながら小聖が反対側からずずいっと身を乗り出す。
押せば引くし、引けば一層押す。
そんな駆け引きが、拍子の激しくなった地謡に合わせて繰り広げられる。
まさに、サイキックバトル。
どっちが勝つの!?(いや、結果は判ってるんですけどね(笑))とワクワクし、ついつい手を握り締めてしまうような緊迫感あふれる舞が舞台上で展開されるのです。

まず、「葵上を着物だけで表現する」という発想が、現代からすればものすごく先鋭的。考えてみれば、パントマイムの発想なのですけれど、豪華で大掛かりな舞台に日々慣れていると、シンプルかつ説得力ある(しかも存在感もある)設えに、感嘆してしまうのです。
その「着物だけの葵上」に存在感を与えているのが、第三者である六条御息所であり、巫女さんであり、聖。
事の次第をとうとうと語る地謡は、BGMというよりは「言葉そのもの」で、雨あられと降ってくる「言葉」を耳で聞き取り、目の前で展開する舞を堪能し、頭の中で「言葉」と「舞」を融合させる。
ものすごく頭を使う「演劇」だと思いました。
見終わった後に、脳が心地よく披露していることに気が付きます。

狂言の「棒縛」は、歌舞伎や日本舞踊にもなっている有名な出し物ですが、これもまた楽しかった。っていうか、狂言師の皆さん、声が大きい…すごく響く。

最後の半能「石橋」は、歌舞伎では「連獅子」の元になる、紅白の霊獣・獅子が、牡丹の中を舞う…という大変おめでたいもので、目にあでやかで大変幸せな気分になりました。

いやあ、なにせ「葵上」にショックを受けましたよ!!!
めっちゃ、サイキックバトル。
そういえば、と能って聖が出てきたり、霊が出てきたりするものがとても多くて、これはとんでもなくホラー作品。
ああ、お能って面白いなぁ…としみじみと思った夜でした。
これは、もっと見に行く機会を増やしていきたいものです。

■…というところで、この能を本格的にみるという機会を得て、ようやく「地謡」について私は理解し、これがまた別のところへつながっていくのですが…それはまた別の機会に♪

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2017年06月13日

今月のネイル、の巻

■ここの所、ミラーネイルにはまってます。
あ、当たり前なのですが、私はいつもプロのネイリストさんにお願いしているので、私自身がネイルを作ってるわけではないです。

なんでこんなことをわざわざ書くかといえば、先日ランチをご一緒した方で、ご自身がジェルネイルをなさる方がいて、私の爪の先をじーっとみて、
「どうしてそんなにミラーネイルがきれいにできているの?」
と聞かれたからです。
「プロにお願いしているからです」という答えはこの場合、まったく当を得ていないことは明らか。
でも、なぜそういう質問をされるのかが判らなかったので、
「ご自身でミラーネイルにトライなさったことがあるんですか?」
と伺ったところ、「まさにそれ!」という調子でお話しくださいました。

なんでも、ご自身でミラーネイル用の粒子の細かい金粉・銀粉を買って、ジェルネイルの上からこすって固めても、寄れてしまったり、うまく定着しないのだとか。
知り合いのネイリストさんに聞いても、「そのやり方で間違ってないですよ」としか教えてくれない…とか。

「普通のクリアジェルの上から金粉とかこすりつけているのですか?」
「そうなの。それでいいって言われたから」
「うーん…そのネイリストさんの言葉を否定してしまうかもしれないのでちょっと躊躇しますが…私がお願いしているネイリストさんは、ミラーネイル用のクリアジェルを使ってますよ。普通のクリアジェルじゃないです」

そう、一応言ってみると、その方は「やっぱり!」というような顔をされて、
「そうよね! 何かが絶対違ってると思ったのよ!」
とのこと。
念のため私がお願いしている方にも確認しますね…とお約束して、先日実際にネイリストさんに聞いてみたところ、「ミラーネイル用のクリアジェルを使っている」で正解でした。

あまり、存じ上げない他のネイリストさん方のことを貶めるような物言いをしたくはないのですが、もしかしたらお客さんとしてその方に来てほしいとかそういう考えがあったとしても…やはり素人さんに嘘を教えてはいけないと思うのですよ。
その方の言っていることすべてが、嘘に聞こえてきてしまう。
そのくらいの情報を伝えたとしても、素人を圧倒する技術があるのだと、プロの方には自信を持ってもらいたいものだなぁ…とおもったのですが、いかがでしょう。

■そんなことを話したり考えたりしながらお願いしたネイルは、「全部の指をミラーネイルにしてみる!」という趣向となりました。

20170613今月のネイル.jpg
これ、あんまりよく見えないかもしれませんが、結構濃い目の明るいピンクを下地に塗って、その上から銀のミラーネイルをかけてもらいました。
なので、光の角度によってピンク色に光る、思っていたよりもだいぶシックな仕上がりになっています。
梅雨なので、指先だけでも爽やかにね〜
また一カ月、心安らかに過ごせそうです。

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posted by Lilalicht_8 at 19:33 | Comment(0) | 今月のネイル

2017年06月07日

「ミュシャ展」終わりましたね、の巻

■関東が梅雨入りしたそうです。
先日、突然の雷と夕立に遭遇し、
「ああ、今年の梅雨も晴れの日の夕方に突然雨が降る、っていう感じになるのかな」
となんとなく思いました。
もうここのところ何年か、梅雨というと「昼間晴れてて夕方に豪雨、被害が出る」というパターンに変わってきたような気がします。
以前のように、「いつもなんとなく曇天で、だらだらと雨が降る」というイメージが遠くなりつつある。
天候の変化は地味に体に響きます。
そして人の感性も変えていくような気がします。
歳時記もちょっとずつ言葉を変え、イメージを変えていくのでしょうか。

■さて、お祭り騒ぎのように国立新美術館の「ミュシャ展」が先日月曜日、6月5日に終わりましたね。
私は4月の平日に見に行ったのですが、その時は待ち時間20分くらいでした。
最終日前日の6月4日日曜日は、「待ち時間140分」なんてtweetを見かけて、本当に驚きました。
でも、その気持ちはわかる。
だって、「スラブ叙事詩」が全編チェコ国内から運び出されるなんて大イベントに、ちょっとでも乗っておきたいじゃないですか。
以前からの美術ファンはもちろんですが、お祭り的にこういう企画展示が盛り上がることを、私は大変結構なことだと思っています。
私は書道をやっていて、書道の師匠を初め書家の方々とお話しする機会があるのですが、どんな文化であれ「盛り上がってお金が回ること」はとても大切なことなのです。
それが次の可能性を生む。
教会や国の首長など巨大な権力と資金を持った存在がパトロンとなり、芸術家を養っていける時代はもう遠くなりました。
けれど芸術や文化は、やはりそういう「ビジネスモデル」で今も養われています。
資金の規模は小さくなったけれど、国や企業やほんの一握りのお金持ちというパイを、文化芸術を志す人たちが取り合っている…そんな感じです。
芸術家は貧乏なのが当たり前とか、絶対嘘ですから。
お金はあればあるだけいいんです。
その分だけ買える自由は必ずある。

■…てなことを、ミュシャ展に行っても改めて感じました。
今回のこの展覧会の目玉はなんといっても、「スラヴ叙事詩」がすべて一斉に展示されるということ。そもそもスラヴ叙事詩がすべてチェコ国外に出ることが初めて、だというのだから、この一大事業を企画し、実現した国立新美術館のスタッフのみなさん、元々スラヴ叙事詩を展示しているプラハ国立美術館のスタッフの皆さん、そしてこの企画に携わったすべての方々に、感謝するしかないです。
よく貸し出したよね、チェコ…自分たちの国の宝みたいな絵のはずなのに。
今回の展示については越えなければならなかった壁があったようですが、いずれそういう裏側の話まで一つにまとまって読めたらいいなぁ、と思います。

20170607ミュシャ展2.jpg
さて、ご存知の通りスラヴ叙事詩は一つ一つの作品がとても大きいです。
そしてその大きさに圧倒されます。
みんな、見上げながら歩く感じなんですが…正直、
「よく人が転ぶとかして、絵に傷がつかないですんだなぁ…」
と思うくらい、結構作品に近づいて鑑賞できました。
私はとても、あの距離が怖かったです。上を向いて歩いている人同士がうっかりぶつかって、ちょっとずるっとこけてしまったら、たちまち絵に手をついちゃいそうな…まあ妄想なんですけど、そういう怖い想像をするくらいに近いなと感じました。
しかも、一部はこうして写真撮影も可能になっている(撮影したのは「聖山アトス」です。この光の入り方がとにかく美しくて、長らく見つめてしまった1枚でした)。

20170607ミュシャ展1.jpg
ミュシャの息子がモデルになっている絵。

さて、スラヴ叙事詩は本当に美しかったです。
これは、見に行った人全てが間違いなく首肯するところでしょう。さすがにこれを「美しくない」という人がいたら、へそ曲がりか文句を言いたいだけの人なのかな、とその人に対して偏見を持ってしまいそう。
ただ付け加えるなら、この作品群を私は少し「怖いな」と思ってみていました。
その大きさと美しさに身震いするだけでなく、そこから発生する「圧」に息苦しくなった、というべきか。
この絵の主題なのだから当たり前なんですが、あまりに「スラヴ民族」押しが強くてその熱に圧倒され、言葉を失ってしまう瞬間がありました。
そういう風に、わざと人を煽るように描かれた絵でもあるのだということがひしひしと伝わってきます。
かなり、メッセージ性の強い作品です。

例えば、浮世絵なんかも書込みや説明書きがとても多くて、そういう意味では情報量が多い絵なのですが、なんでしょう、浮世絵の「情報量の多さ」というのは、ぺちゃくちゃと市井の人々がおしゃべりするのを聞くような、そういう他愛のなさを感じるのですね。
でも「スラヴ叙事詩」は人を扇動するためアジテーションの要素が強い、そういう「情報量の多さ」に圧倒された気がします。
そうやって分析する前の、自然に出てきた感情が、私の場合「怖い」という一言に集約されたのだと思います。

「スラヴ叙事詩」はとても美しく、そして怖い作品でした。

■ところでこの巡回展、このあと中国・韓国・アメリカに回る…という情報を、ネット検索して知りました。
どれだけの期間、チェコからこの作品がいなくなるのかわかりませんが、大きな決断が下されたものだなと、改めて思いました。

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posted by Lilalicht_8 at 15:25 | Comment(0) | 展覧会

2017年05月29日

ちょっとしたお返事集、の巻

■ブログ記事に画像を放り込んでおくと、スマホからブログを見たとき画像がトップに来て、結構見栄えがいいな!と気が付いた今日この頃。
今回はWeb拍手にいただいたお返事集なので、何か適当な画像はないかな〜とがさがさ自分のフォルダー見ていたところ、去年の書道の作品展に出した作品が出てきたので、ちょっとしたお茶濁しに。

20150529.jpg
酉年に向けて鳳の古代文字を書いたのですが、もう酉年も半分すぎちゃいますよ!
速すぎる!
人間はこうして…(略)

■ところで、今日グーグルを開くと、トップに美空ひばりさんのイラストが出てくるんですね。
なんでかなぁ、と思ったら、今日がお誕生日だったのだとか。
美空ひばりさんのすごさとかかっこよさって、長らくわかっていなかったのですが、年一くらいでやってる懐かしの歌謡曲、みたいな番組を何とはなしに眺めていると、改めてすごさが判りますね。
不世出の天才って、こういう人のことを言うんだなぁ、って思います。

■というところで、お返事集です!
>ゆばーばさん
そーなんですよね! 関ジャニ∞にくっついて、47都道府県ツアーであちこち回っていると(もちろん、全部行けたわけではないんですけどね)、「ご当地もの」にどうしても目が行きますよね(笑)
私は会社へのお土産もあって、ご当地カールを買っていました。小袋が4つだったか6つだったか入っていたので、親しい同僚に配って好評でした。
しかもご当地カールおじさんカードが入ってる!
あとは、ご当地キティにはまって、ご当地キティのボールペンとかを楽しんで集めていました。
キティねーさんて本当に仕事を選ばないから(笑)ロールケーキになってたのが一番面白かったな。キティねーさん、毛がクリームでべちょべちょやん!って突っ込み入れちゃいました(笑)

>ちょり
そーなの! おなら合戦絵巻、大笑いしたよ! もうねー、ぜひ君に見てほしかった!
リンクフリーなのかわからないのでURL張らないけど、「放屁合戦絵巻」でググると、写真が出てくるから見てみてね!
BL絵巻…じゃない、「稚児絵巻」は話が悲劇的なものもあって味わい深いです。
大体、お坊さんと若衆の純愛で、真に受けるとうっかり涙しそう…(嘘です(笑)だって絵巻物も妄想の世界でできてるから!)
ところで、映画の「三月のライオン」はみた? 「無限の住人」も見たいと思ってるうちに終わっちゃいそうで、映画って本当に回転が速いよね。

>みこさん
いつもいつもコメントありがとうございます。
そーなんですよ! TOKIOは…ジャニーズなんだよ!っていう精一杯の抵抗です(笑)
IHIステージアラウンド東京は、まだまだ試験段階…っていう感じだと思います。
大きな舞台装置が定位置なので、この間の記事にも書いたとおり、場面転換がスムーズなくらいであんまり効果的な感じはしませんでした。
新感線の舞台は来年まで続くので、とりあえず「season鳥」でどのくらい舞台の使い方が変わるかなぁ、とちょっと気になっています(チケット代高いし、上演時間が長いから、行くかどうかはまだ保留です(笑))

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posted by Lilalicht_8 at 16:58 | Comment(0) | 雑感

2017年05月26日

ご当地カールおじさんカードと私、の巻

■カールが、東日本で買えなくなってしまう。
こんなニュースが流れて、2日ほど経ちました。
何が原因だったんだろう? 売上? と思っていたら、どうやら「生産拠点の整理による経費削減」が理由とわかって、納得しました。
理由は納得したけど、やっぱり残念です。

…ということで、カールおじさんを見送る会(と勝手に作ってみた(笑))の一環として、私がこれまで集めてきた「ご当地カールおじさんカード」をご覧に入れましょう!

この「ご当地カールおじさんカード」は、日本中のあちこちの土産物売り場で売っている、ご当地カールのオオバコに封入されています。
47都道府県前部にあるのかな、と思ったのですがそういうわけでもないらしく、また何年かに1度、新しくなったりしていたようです。
20170526ご当地カールおじさん1.jpg
神戸異人館のカールおじさんたち、ちょっと宝塚が入ってるのが楽しいですよね。
ねぷた祭りのカールおじさんも可愛い。

20170526ご当地カールおじさん2.jpg
カールおじさんが東尋坊を「上から」ではなく「下から」見ているのに、忖度を感じる…(笑)

20170526ご当地カールおじさん3.jpg
カールおじさん、何気にあちこちでいろんな名産食べてますよね。カールなのに(笑)

■ちなみに、今回のブログのカテゴリーをなぜ「関ジャニ∞」にしたかといえば、このカードの大半は、関ジャニ∞の「47都道府県ツアー」をはじめ、関ジャニ∞のツアー遠征した時に買ったからなのでした(笑)
カールおじさんと関ジャニ∞は、私の中で結びついています…エイトは今、森永のCMやってるけどさ(笑)

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posted by Lilalicht_8 at 17:51 | Comment(0) | 関ジャニ∞

2017年05月24日

劇団☆新感線「髑髏城の七人〜season花〜」を見てきました、の巻

■申し訳ありません、またまたお久しぶりになりました。
相変わらず、2週間に一度、風邪ひいて熱出して寝込むを繰り返してます…面目ない。
かかりつけのお医者さんにも「どうしたの?」と言われまして、考えてみれば、甥っ子たちに会いに行くたびに風邪菌もらっている気がする…
子供たちは、子供たちが集まるところで風邪うつしあってますからね、仕方がない。
仕方がないけれど、子供の体で培養された風邪菌は強力なんだよ…
甥っ子たちはかわいいし、何より妹の手助けになればなぁ、と思いはすれど、体はままならず。
まずは体調を戻すことに全力を注ぎます。
ご迷惑をおかけした皆様には、申し訳ありませんでした。以後気を付けます。

■というわけで、もう1か月半近く経っちゃいましたけど、劇団☆新幹線「髑髏城の七人〜season花〜」を見てきました。
場所は、話題の360度劇場「IHIステージアラウンド東京」です。
突然降ってわいたご縁だったので、この劇場については全く下調べしないでいました。
直前になって、アクセスを調べたらあらびっくり。最寄り駅が「豊洲市場前」駅でした。今話題沸騰中の豊洲市場(笑)
行ってみてびっくり。閑散としちゃってるのね―あの駅。駅前、本当に何もない。駅を出て、すぐ左前方に見える劇場まで、うねうねと曲がった一本道が続いていて、そこを粛々と歩いていく観劇者たちの群れ。
ちょっとした荒涼としたムードが漂ってました。
多分、原始キリスト教教会ってこんな感じだったんじゃないかなーなんて思うくらい。
日は傾いてるし、ちょっと寒いし(この日は雨がパラパラと降る不安定な陽気でした)、とにかくお店が周りに何にもない!
これは推測なんですが、去年、予定通りに豊洲市場が開場していたら、もっと人通りもあって、それに伴って豊洲市場で働く人たちのために、コンビニとかファミレスとか、カフェとか…とにかくもっとお店ができてたんじゃないかと思うのです。
でも今のところ、オープンのめどが立ってないから、お店がなーんにもない。

ご存知の通り、劇団☆新幹線の舞台は長いです。大体休憩時間も入れて3時間越えてくる。そうすると、特にソワレだと午後10時くらいに終演ってことも余裕であるわけで。おなか減るじゃん! 
食糧補給できるお店重要! 絶対必要!
過日、劇団☆新幹線の公式アカウントをTwitterで眺めていたら、「ちゃんと来ましたよ!」みたいな言葉と一緒にキッチンカー(移動販売車)の写真が載ってました。豊洲市場前に需要があるみたいだって、気づいたキッチンカーがいたのか! えらい!
この調子で、夕方にも来てくれないかな、キッチンカー。それでもって、劇場に持ち込めたらなおいいんだけど。そこは難しいか。
ちなみに、劇場内の飲食コーナーは、精一杯頑張ってたと思います。手際よかったし、サンドイッチなどの類の兵糧の備えは充分にあり(ちょっと違うか(笑))、とにかく頑張ってた印象があります。でもやっぱり、物足りないんですよねぇ。
午後10時だと、豊洲市場前から豊洲とかに出ても、そもそも豊洲にだって食べるところ少ないじゃない? で、何人かで相乗りすればタクシーで銀座方面にも行けるんじゃないかな、と考えたりもしたんですけど、そもそもタクシーがいないし!!!

とにかく、「現状、エンターテイメントを目当てにした人を集めるところじゃない」という印象が強いのです。
私が行ってから1か月以上経っていますが、この状況は果たして変化しているのでしょうか。
多少改善されたとしても、当分の間続くと思います。なぜなら、豊洲市場がいつ開場するかわからないから。
なので、どうぞこの劇場に行く方は、あらかじめしっかりご飯を食べてからいらっしゃることを積極的にお勧めします。

■で、舞台の内容ではなくて、劇場そのものの話が続いてしまいますが。
この劇場の売りは「360度展開する舞台」「座席が移動する」なのだそうです。
読んだだけではよくわからず、実際見るまでどの程度「座席が動くのか」とか、舞台の作りこみも想像つかなかったので、ここで具体的に記録しておきますと…

まず、舞台は円形劇場でした。そして座席はその真ん中に作られていました。
バウムクーヘンの真ん中に座席があり、皮からの厚み1センチくらいの部分が舞台になります。
360度にぐるっと舞台がめぐらせてあって、そこを、たとえば「このシーンは60度くらい」「このシーンは40度くらい」「このシーンは120度くらい」…と場面ごとの舞台装置が、あらかじめ建て込んであるのですね。
今回のお芝居は確か4場面、つまり4つの大きな舞台装置が作られてありました。一番大きな装置は「無界の郷」の吉原のような遊郭の2階建ての建物のシーンでした。感覚でいえば、120〜130度くらいぶんどって作られていたので、かなり大きい。
で、ひとつのシーンが使われているときは、他の3つは幕が下がっていて見られない状態になります。
客席は、そのシーンに向かって「横回転する」。
俳優さんたちは、場面転換の度にシーンからシーンへと360度舞台を走って(もしくは歩いて)移動します。
客席の「回転」は、本当に「横」にしか動きません。映画館の4Dシアターみたいに、もっと激しく動くのかと思ったら、そこまでの機能は今のところないようです。USJとかで体感型シアターを経験していると、かなり物足りません。

利点といえば…そうだな、場面転換がスムーズなこと(いちいち大きな装置を移動しないで済むから、場面転換の時間が短縮される)かなぁ…あくまで現状では、それ以上の良さは、正直感じられませんでした。

逆に、「え。これ迷惑」と思ったのは、フィナーレのご挨拶の時でした。
ご挨拶の時には、一番大きな「無界の郷」の場面が使われたのですが、これが元々体感120度くらいあるわけです。
で、そのさらに右となり、本来なら別の場面が作られているところは暗幕で覆われているので、そこにキャスト紹介の文字が流れるわけです。
体感視界としては、場面+キャスト紹介で140度くらいになるのでしょうか。
でも、人間の両目の視界の限界って、大体140度くらいなんだそうです。
つまり、舞台のどこかかキャスト紹介が「見切れる」。
今回私は比較的真ん中あたりの座席だったので、キャスト紹介がほぼ見切れました。
ちょっと目の端に引っかかったので、「え?」と思ってみたらキャストが流れていて、でもそっちを意識してみると、舞台の真ん中の方まで見えなくなっちゃう。
これは、かなり迷惑でした。
もうちょっと、視界を狭めに意識して、舞台を作ってほしいなぁ…と、そこはとても不満が残りました。
改善されてたらいいのですけれど。
なにせこけら落とし公演ですからね。色々とまだ実験段階だと思うし、手探り部分は相当あると思うので、次に行く機会があって、その時に改善されてたらいいなと、これは心から思います。

20170524髑髏上の七人.jpg
相変わらず、新感線の舞台のオフィシャル画像はかっこいいです。

■劇場の話がすっかり長くなってしまいました。
お芝居そのものについて。
私、「髑髏城の七人」って確か1997年版を見てるんですよね。
その時は古田さんが二役をしていた記憶がとても強かったのですが、今回はその役がふたつに分けられていて、そういう意味では話がとても判りやすくなっていました。
でも正直に言うと、あれは二役だったのが醍醐味でもあったからなぁ…と、ちょっとそこが残念です。
今回のアラウンドシアター東京公演では「season風」で松山ケンイチさんが、二役版で演じるそうなので、今度はこっちを見たいかも。

とはいえ小栗旬版捨之介は、かなり粋で色っぽくて大変よろしかったです。
今回の立ち回りの一番の見せ所である、「2本刀の立ち回り」も、着流しの裾を大胆に端折って、赤い襦袢が見えたりするのは、型通りとはいえやっぱりかっこよくて素敵でした。
美しさで圧倒したのは、無界屋蘭兵衛の山本耕史さんでした。やっぱりかっこいいわ。
そして、私は初めましてになる成河さんの天魔王、狂気をはらんだ声色といい、パントマイムのような奇想天外な動作といい、魅せられました。
そしてとにかく印象に残ったのが、沙霧役の清野菜名ちゃんでした。とにかくよく動く! アクションの切れがいい! 回し蹴り、飛び蹴りが美しい! うわー、こんな女優さんいたんだ!と目を見張りました。声が通って滑舌もいいし、もう一度彼女の舞台(アクション満載でよろしく!)をとても見たいと思いました。
舞台の内容そのものは大満足です。
相変わらずの「新感線」節は、頭になじんだ心地よさがあります。

いやあ、それにしてもやっぱり3時間越えの舞台はつらいわ〜
楽しいんですけど、疲れます。
翌日休暇を取ることを前提で見に行く、という条件付きでもう一度見に行きたい感じです。
多分その時には、劇場の使い方がどのくらい改善されたのかもチェックしちゃいそうですけれど(笑)

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2017年05月15日

「絵巻マニア列伝」展に行ってきました、の巻

■これ、「六本木開館10周年記念展」という冠がついていました。
え? 六本木ミッドタウンができてもう10年経つの?という驚きが先に立ちました。
時のたつのは本当に早いと、最近実感させられることが多いです。

■4月は体調不良でとにかく「人ごみになるべく出ないで寝ている」ことを優先していたので、あっという間にこの展覧会の会期期間が終わってしまいました。
絵巻はあんまり長期間展示できないですものね。仕方がない。
で、どん詰まりの最終日に行ってきました!
最終日でもっと混んでるかと思ったのですが、予想に反してそうでもなく…もちろん、絵巻は棚に置く以外の展示方法(壁掛け等ほかの展示手法)ができないため、どうしても人気のある絵巻では行列ができてしまうのですが、それでもストレスになるほどの行列はなかったので、やはりあまり混んでなかった、というべきなのでしょうか。

20170514サントリー美術館絵巻マニア列伝.jpg

右から左へと時間が流れている絵巻は、一度見慣れるとマンガを読むような感覚になるのが大変面白かったです。むしろ、右、左、斜めと視線移動の「クセ」になれる必要がある現代の漫画の方が、より複雑かも。
今回は皇族や貴族が収集し、天皇(上皇)のお墨付きまでがセットになっている絵巻が多かったので、印象に残るほど鮮やかなものは、有名な寺社仏閣の縁起絵巻に集中していたような気がします。
これらの中でも印象的だった縁起絵巻は「石山寺縁起絵巻」。
鎌倉時代にオリジナルが作られた後、室町時代にも写しが作られ、さらに江戸時代に下って松平定信(この方も「絵巻マニア」の一人に列せられていました)の助力を受けつつ谷文晁も写しを制作していた、という時代ごと(でも描いている場面は全てオリジナルに準拠しています…「写し」=コピー本なので)の絵巻がありました。
「あ、これさっきもあった!」
ととっさに思い出させたのは、展示の構成の妙だったのでしょう。

さて、お寺や神社の縁起絵巻以外といいますと、物語系の絵巻がやっぱり楽しかった!
特に人気があったのは「放屁合戦絵巻」だったようで、これとこれに連なる絵巻は、整列鑑賞するように美術館の方が列の整理をしていらっしゃいました。

まず前段として「福富草紙」というものがありました。
これは高向秀武という人が夢のお告げで「すばらしいおなら」を出す芸…要するに「放屁芸」を体得し、貧しい生活から脱して時の中将にもそのおならを披露するほどの立場とお金を手に入れることができました、というお話。
おなら!!!
すばらしいおなら!!!
なんというパワーワード!!!(笑)
このお話は当時の人たちの心に深く刻まれたらしく…なんとこれを受けての絵巻ができます。

それこそが、「放屁合戦絵巻」。

もう、タイトルの通りです。
音の大きさはもちろん、臭さとか、量とか(だって複数人が一つの大きな袋におならを貯めてる絵があったりするんだもん(笑))、パワーとか、多分長さや音階?などにこだわったおならを、様々な人たちが発している場面が延々と描かれている、そういう絵巻です。小学生男子かよ(笑)
しかし、創意工夫を凝らした「おなら」芸合戦にも、ラスボスが登場します。

それがなんと、「福富草紙」で描かれた秀武さんの娘だと名乗る、「尼公」なのです!
まさかの女性!
しかも「放屁の名家」の末裔!!
その尼様ってば、絵巻の最後に…おしり丸出しにして「すばらしいおなら」を発している姿が描かれているのです。

これだけでも抱腹絶倒の「放屁合戦絵巻」ですが、後祟光院の奥書がついているところが、またニヤリとしてしまうのです。まさに「極め付け」。親王様ってばおならの話に奥書書いちゃってる!(笑)

展覧会のタイトルが「マニア列伝」ですから、この後祟光院は間違いなくマニアの一人。
その息子である後花園院もその血を継いで絵巻マニアだったそうで、音声ガイダンスによれば、父・後祟光院と息子・後花園院の間で絵巻の貸し借りがあったらしく、父子で絵巻をみながらキャッキャしていたのかと思うと、「人間関係」に心惹かれてたまらない私としては、妄想たくましくして楽しくなってしまうのでした(笑)

他にもBL絵巻…じゃなかった、稚児絵巻「芦引絵」(ここは特に整列鑑賞でもなかったんですが、なんだか山のような人だかりで、ちゃんと見られなかった…ちょっと残念)があったり、人間が死んでからどのように肉体が変化していくかを活写した「九相図」(これは腐っている様はちょっとグロテスク)とか、見ているだけで色々な想像や妄想がたくましくなってしまう、大変脳に刺激のある展覧会でした。

絵巻って面白い。
マニアになる気持ちもちょっと…いや、かなり判る(笑)
音声ガイダンスが、
「今日また一人の絵巻マニアが誕生したら嬉しく思います」
といった言葉で締めくくられていたのですが、マニアになるかはわからないけれど、これから絵巻の世界の扉を開けてみよう、と思う人間がここに一人誕生しましたよ!

浮世絵もそうなのですが、絵巻は一つの絵に込められた情報量が半端なく多いので、もっとじっくり鑑賞したかったな。
いやあ、いいものを見ましたよ。

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posted by Lilalicht_8 at 20:46 | Comment(0) | 展覧会

2017年05月14日

今日はひと休み…の巻

■サントリー美術館の「絵巻マニア列伝」に行ってきました!
今日が最終日だったので飛び込みギリギリセーフ!
とても楽しかったし、いろんな妄想が湧いたので、明日改めてゆっくり書きたいと思います( ´ ▽ ` )ノ

とりあえず…絵巻物って面白い!


posted by Lilalicht_8 at 19:31 | Comment(0) | 雑感

2017年05月13日

シド武道館2days「夜更けと雨と」「夜明けと君と」に行ってきました、の巻

■タイトルに「雨」なんて入れるからだよ(笑)…と笑っちゃうくらい、本日の東京は20日ぶりに降ったまとまった雨に濡れていました。
20170513sid.jpg

シド単独のライブって、1年7カ月ぶりなんですって。
そしてアルバムは、3年8か月ぶりに今年の秋に出るんですって。

通りで最近、「シド」って文字を打ってないはずだよなぁ…って思いました。
新曲が出てもプロモーションがほとんどないし(Mステとか、どんだけ出てないっけ?)
ライブもないし。
いやそれ以前に、シングルそのものがなかなかでない!

待ってたし、すごくもやもやしてました。
なんでこんなに「何もない」のかな、って。
多分その理由は今後も一切出てくることはないでしょうし、出てきたとしても「大人の事情」という便利な一言で済まされてしまいそうで、考えることもうっとうしい。

そういう感情を「鬱憤」と呼んでいいのなら、それらを吹き飛ばすにふさわしい、「爆発」を感じる武道館2daysライブでした。

セットリストは、多分公式にUPされるだろうと思うので(前だったらちゃんとメモして書いてたんですが、今回は体調が悪かったのと…なんだろう、「様子見」という気分がすごく前に出ていたのです)詳細はゆだねることにして。

衣装が黒で統一された1日目「夜更けと雨と」は、その衣装のイメージに合った、ちょっとダークで毒があり、さらにマニアックさも兼ね合わせたラインナップでした。
かつて「歌うことによって、曲が進化する・曲が化けることがあるんだ」と衝撃を受けた「Sleep」(今読み返したら、この記事、2011年でした! もう6年も前か…時がたつのは本当に早い…)に似たような進化を見せたのが、1日目の「花びら」でした。久々に、マオくんの歌声(そして演奏)に心を根っこから持っていかれるような感覚がしました。
歌声に巻き込まれて、頭の中が真っ白になる瞬間。
それをまた、シドからもらえたことに、心から感謝します。

一方、衣装が白で統一された「夜明けと君と」。メジャー感のある曲目が並び、セットリストとしては私はこちらの方が好きでした。
圧巻だったのはやはり…大ラスの「hikari」でしょうか。
「hikari tour」のファイナルで(え、これ2009年だったよ!!びっくりだよ!(笑))、声がかすかすになり、泣きながら歌っていたマオくんのことを思い出しました。
思えばあの時の悔しさから、マオくんはストイックにボイトレを始めたのでした。
そこからどんどん、どんどん、歌声は進化し続け…どこまでいくのかしらと楽しみと心配が半ばする頃に、色々な病気や現象が彼とシドに襲い掛かり。
長い凪の時間が、今日終わった、と考えてもいいのでしょうか?
キラキラとした粒子が見えるようなまぶしい空間が現れ、歌と共に収束していったあと、座り込み、珍しく泣いていたShinjiくんをみて、胃がググッと締め付けられるような痛みを覚えました。
この「凪」の間、何があったんだろう。何と戦っていたのだろう。どんな思いをしていたのだろう。
私はこの「凪」を、かなりドン引きして眺めていたので(何が理由かわからないまま、アルバムはおろかシングル発売もままならない状況というのは…彼ら本人たちだけのせいとは思えなかったので、努力が報われない「組織」っていったい何なんだろう?くらいのゲスの勘繰りはしていました、はい(笑))、飄々とした印象の強いShinjiくんの涙の語る意味について、あれこれ考えてしまったのです。

秋のホールツアーが発表されたので(ホールやアリーナくらいがやっぱり見るにはらくちんでいいです(笑))、このままシドの活動が軌道に再度乗るといいなぁ…と願いつつ。
やはり彼らの作るメロディとマオくんの歌詞の世界は絶品だな、と噛みしめつつ。

「hikari」に込められたみんなの想いがきれいに昇華されるといいなぁ。
そう、素直に思える、いいライブでした。

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posted by Lilalicht_8 at 22:58 | Comment(0) | シド

2017年05月12日

今月のネイル

今日があまりに暑かったので、今月のネイルはかなり夏を意識した涼しげなものになりました。

20170512今月のネイル.jpg

夏になると、なんでターコイズ使いたくなるんでしょうね(笑)

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2017年05月11日

「ゴールドマン・コレクション これぞ暁斎」展に行ってきました、の巻

■今回のこの「ゴールドマン・コレクション」による河鍋暁斎展、私は4月に渋谷文化村ミュージアムで見ましたが、現在巡回展示が高知に行っているようです。
その後、京都と石川に行くようなので、早めにおすすめ記事を書いておこうと思います。

■私は、河鍋暁斎という江戸末期から明治にかけての画家に、とても興味を持っています。
興味を持ってまだ日が浅いので、先達の皆様に突っ込まれると「ひゃーっごめんなさい、ごめんなさい!」と頭を隠して逃げたくなってしまうのですが、恐る恐るその世界に踏み入っている感じです。

河鍋暁斎の何に興味を持ったか。

1つ目は勿論、圧倒的な画力。今回の展覧会を見にいった友人が、「河鍋暁斎って天才だったんだねぇ」としみじみ言った通り、特に今回のように肉筆画が多い展覧会だと、その圧倒的な筆力にひれ伏すしかありません。この勢いと破天荒さ、そこに通底する「確かさ」と「几帳面さ」にただただ恐れおののき、溜息をついて展覧会を回っていました。

2つ目は、彼を取り巻く人間関係の面白さです。
歌川国芳の弟子(弟子だった期間は本当に短いけれど、画風の基礎はここにあると思います)であり、ジョサイア・コンドルを弟子にしていた人。
もう、これだけで面白すぎます。
以前、赤坂迎賓館見学台湾旅行の記事でジョサイア・コンドルとその教え子たちについて触れましたが、私は、
「弱冠24歳の英国人建築家(それまで設計図は書いたことがあっても、実際に建物を建てた経験は無し)と、ほぼ同い年くらいの西洋建築を志す日本の若き技師たち」
という「黎明期の西洋建築学教室」の様子を想像するだけで楽しくなってしまうのです。や、妄想なんですけどね(笑)
そんな、「ジョサイア・コンドルを取り巻く人間関係」の中で、間違いなく輝く一等星なのが、コンドルが敬愛してやまなかった河鍋暁斎でした。

そんな「一等星・河鍋暁斎」の海外流出した作品が、ゴールドマンさんという方の一大コレクションとして日本に里帰りした展覧会、それが今回の「これぞ暁斎」展でした。
つまり、日本国内には通常ない作品ばかりなわけで、これは見に行かないわけにはいきません。

20170511河鍋暁斎展.jpg

■今回の展覧会の図録の冒頭に、暁斎コレクター・ゴールドマンさんが言葉を寄せていらっしゃいます。
なぜ暁斎を集めるのか?と問われて答えたのが、
「暁斎は楽しいからですよ!」
ああ、わかるわかる! そう、楽しいんですよね。
画題も様々だし、技法も様々。迫力がある仏画や、愛嬌のある動物の戯画。
特に今回の大目玉作品は、「百鬼夜行図屏風」で、これは是非実物を見ていただきたい。
付喪神たちが暗い夜道を楽し気に、きゃっきゃと声を上げながら練り歩く様子が、実に生き生きとユーモアたっぷりに描かれています。
これに付随して、河鍋暁斎美術館主催で、作家・京極夏彦さんが講演会をなさったんですよね。聞きに行きたかったけど、まだ大丈夫と思ってるうちに、満席になっていた…残念。
眼光鋭いカラスの絵の数々。
以前、三菱一号館美術館で行われた「画鬼・暁斎」展では長蛇の列になっちゃっていてみるのをあきらめた、春画のスペースもたっぷりとられていました。

そして、最後の仏画のコーナーに来て、非常に目を引かれる「達磨半身図」がありました。
今回もイヤホンガイドを借りていたのですが、そのイヤホンガイドでも当然取り上げられていた、その達磨図。
それこそが、ゴールドマンさんが暁斎コレクションを始めるきっかけになった、コレクションの中でも重要な位置を占める絵であり…元はジョサイア・コンドルの収蔵品だったそうです。
ああ、ここでやっぱりコンデール君(暁斎絵日記には「コンデール君」が頻出するので(笑))が絡んでくるんだなぁ…師匠の一級品はコンデール君が持ってたんだなぁ。
「人間関係好き」の私にとっては最上のオチがついて、展覧会を見終えたのでした。

■さて、ここからはちょっとしたおまけです。
「これぞ暁斎」展を見終えて勢いづいた私は、埼玉県蕨市にある「河鍋暁斎記念美術館」に行くことにしました。
ただ、最寄り駅が西川口駅で…うーん、ちょっと一人で行くには腰が重い。
というわけで、付き合ってくれる友人二人(うち一人は男性)と一緒に行ってきました。
うん、複数人数…特に男性が一緒に行ってくれてよかったかな。
西川口駅周辺は、なかなか私の日常の中にはない世界で、正直ぎょっとしました。駅前をちょっと越えれば、いたって普通の住宅街なんですけど、そこに到達するまでに右往左往してしまう感じ。
そんな住宅街の中に、河鍋暁斎記念美術館はありました。
小さな美術館でしたが、とてものんびりした空気が漂い、収蔵品もいいものがあるなあ、という印象。
なにより美術館の方たちがとても親切で、色々と質問してしまう私たちに大変良くしてくださいました。
一人で行くのは気が引けるけど…でももう一回くらい、ゆっくり見に行きたいです。

■というわけで、「これぞ暁斎」展はゴールドマンさんのご挨拶と、最後のオチ(個人的に「オチ」と判断しました(笑))がとてもツボにはまり、かつとてもいい内容の展覧会でしたので、興味のある方はぜひどうぞ♪

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2017年05月10日

映画「3月のライオン 前・後編」を見てきました&お返事集

■相変わらずのろのろとした更新ですが、懲りずにお付き合いいただければ幸いです。
で、「2週間に一度の風邪ひき」は相変わらずで…また寝込んでました。面目ない。
主治医の先生も手慣れたもんで、脈をとって(漢方医でもあるので)、
「うん、抗生剤の点滴だね」
とさばっと一言。
顔見知りの看護師さんも、
「続くねぇ。たぶん、そういう時なんだよ。仕方ない。自分のせいじゃないからね」
と言ってくれて、ちょっとほろっとしたり。
ところで、点滴が終わって処方箋を出されたのですが、その一つに漢方薬としては有名な「葛根湯」がありました。なんてったってツムラの漢方で「1」番ですからね。知らない人はまずいない、大変ポピュラーな漢方薬です。
一応、「朝晩1包ずつ」と出されたのですが、先生曰く、
「葛根湯飲んで1時間たっても汗かかなかったら、汗かくまで1時間ごとに飲んでね」
とのこと。へ? 葛根湯ってそういうものなの?
「そうだよ! 汗かくために飲むんだからね!」
お歳もすでにわからないくらいいつまでも若くてはつらつとした先生が、元気いっぱい教えてくださったので、その通りにしてみました。
まず1包…1時間たっても汗かかず。続けて…というわけで、2時間で3包飲んだところいつしか眠くなり…目が覚めたらどっさり汗をかいていて、すっかり熱が下がっていました。うーん、すごいな。
あくまで私は先生の指示の元、こういう葛根湯の飲み方をしたのですが、これって結構一般的みたいですね。
熱が出たときは「こういう葛根湯の使い方もあるんだ」と頭の片隅に置いておくといいかも。
勿論、お医者さんの指導を受けてくださいね。

■さてさて、どうにも前置きが長くなる癖があるようですが、いよいよ本件、映画「3月のライオン」前・後編について。
前編は、公開されてすぐに見に行ったので、もうすでに1カ月半が経過しています。
後編も、GW前に見に行きました。
本当は、後編を見る前にもう一度前編を見に行きたかったのですが、ちょっとチャンスがなかった。

前編を見て一番印象に残ったのは、有村架純ちゃん演じる香子さんの存在感でした。
原作の漫画とアニメを見ていると、どうしても川村家3姉妹のほうに重点を置かれていて、原作11巻現在、なんとなく「幸田家問題」が置き去りにされています。というか、多分今後の展開ではきっちり決着がつくんだろうけど、今のところはそこに至ってない存在。
映画の方は、どうやらこの香子さんをヒロイン的ポジションに持ってきているようでした。
だから多分、原作やアニメを先に目にしている人たちにとっては違和感があるんだと思う。
前編はとても丁寧に原作をなぞっていて、それぞれのキャラクターを演者さんたちがたいそう的確に描いているように思いました。
「あ、原作まんまだな」
というかんじ。もちろん、時間の制約があるのでキャラが整理されていたり、違う位置づけになっていたり…というのはありましたが、それも許容範囲かな。逆にそこまできっちり原作通りに映像化してしまうと、かえって映画を作る意味がないように感じました。

で、改めて前編を振り返ると、香子さんとの関りを通じて、零くんが如何に「生きづらさ」を抱えて生きてきたかがうかがえるようになっていて…良くも悪くもそこで終了。
こりゃ、後編を見るまで感想はお預けだなぁ…というのが、「前編を見た感想」でした。
ちなみに前編の最後が新人王をとるところだった(アニメ版では到達してないところですね)ため、かなり今のところある原作を消化しちゃってるなぁ、これ、どうやって後編作るんだろう?と危ぶんだ…ところまで含めて、前編の感想。

さて、ここからはたぶんネタバレを含むので、原作・アニメ・映画後編未見の方はご注意ください。
201705103月のライオン.jpg
劇場でポストカードをいただきましたよ。

ここから次の矢印まで、ネタバレ注意です。



Twitterでの情報などで、後編は「当初原作が辿る予定とされていた内容」がたたき台になっているらしい、ということは知っていました。
そのことを踏まえても、随分オリジナルな内容が含まれていたと思います。
ひなちゃんのいじめの事とか、川村家三姉妹の父・妻子捨男(仮)のあらましはなぞるし、宗谷名人との記念対局など、原作をなぞるところは多かったのですが、相対的にそれらのストーリーの印象がかなり薄い。いや、ひなちゃんのいじめのくだりはちょっと見ていて辛いので、これくらいのあっさりした感じでよかったんですけど。
なぜ原作通りのストーリーの印象が薄いかといえば、それは後編が、
「幸田家と零との間の物語に決着がついた」
ところを見せてくれたからでした。
こちらのストーリーの方が圧倒的に印象に残りました。
そして、私はこの決着を大変好ましく思い、前編後編を通じて映画版の「3月のライオン」はいいな、という感想を得ることになりました。

特に、零という強烈な嵐によって崩壊したかのように見えた「幸田家」の土台が、実はしっかり残っていて、きちんと再生したところまで描いてみせたのが、私個人にとってはスッキリしました。
幸田のお父さん(豊川悦司さんがすごくきちんと「お父さん」で、もうそこはブラボーの嵐です)は言葉は少ないけれど、香子さんも歩くんもそれぞれをきちんと成長を見ていて、自分の家庭を決して「将棋で呪われた一家」にしてはいなかったことがわかるシーンは非常に腑に落ち、なんというか…こういう展開なら、「カッコウのような自分」という零くんが自分の重荷にしてきたものを一つ、取り除いてくれたようで、胸がすく思いがしました。
そうか、このポイントがまだ原作ではきれいに精算できていなかったんだなぁ、と改めて頭がすっきりした、というか。

それの対価として、私が原作で大好きな、「お母さん以外誰もいない時に幸田家を訪ねてくる零くんの話」がなかったことになりましたが、そこは仕方がない(たぶん、そこが許せない原作ファンはいるんだろうなぁとぼんやり推測はしました)。
それを引き換えにしても、原作にはまだない、
「幸田家と零くんの再生の物語」
を描くのは、とても大切なパーツだと思いました。




ここまででネタバレ終了。

それにしても前編も後編も、よくキャスティングしましたよね。
みなさん「できるだけ原作に忠実に」と心がけているのが伝わってくる、丁寧な演技とキャラづくりでした。
豊川悦司さんの幸田のお父さん、伊藤英明さんの後藤さん、佐々木蔵之介さんの島田さんは特にナイス。
そして、「原作と違う!」と一番にバッシングに合いそうな立ち位置で割を食っちゃったなぁ…と気の毒に思いつつも、それでも「超ファインプレーだったよ!」と絶賛したい、有村架純ちゃん。
本当に皆さん素敵でした。
あ、伊勢谷友介さんの妻子捨男も!(笑)なんていうか…あの目の笑ってない笑顔を映像で見られるとは思いませんでしたよ、すごいな。

原作を読んでいない方でも、とても楽しめると思います。
むしろ、読んでない方の方が楽しめるんじゃないかなぁ。
私は、これは充分「アリ」だな、とおもいました。

■大変遅ればせながらお返事集
>みこさん
いつもいつもコメントくださるのに、お返事遅くなって申し訳ありません。
クラーナハ展、楽しまれたようで何よりです! 
ナビ派展、関西に巡回しないのは本当に残念です。これを機会に、ちょっとナビ派を掘ってみようかな、と思っています(笑)

>乃香さん
こちらもお返事遅くなり、申し訳ありませんでした。
映画「白雪ひめ殺人事件」をご覧になっていたんですね〜 あの映画の原作と今回の「愚行録」の原作は、文体等がとても似ていて既視感を覚えたのですが、正直に言うと…映画は「愚行録」の方が出来が良かったと思います。
あの映画が耐えられるなら、多分「愚行録」は大丈夫なので、機会があればぜひどうぞ。
映像がきれいな映画でした(撮影はポーランドの方でした。そのせいか、割とさっぱりして見えたのが返ってよかったのかもしれません)。

>ちょり
コメントありがとう!!
すぐにコメントくれたので、とてもうれしかったです。
叙述トリックということと、「読後感が嫌な感じを残す」という意味では、確かに安孫子武丸さんの「殺戮にいたる病」と似てるよね。ただ、原作の出来だけ比べると、私は圧倒的に「殺戮にいたる病」の方がよかったと思います(そこがね〜貫井さんの残念ポイントでもあるな、と密かに思ったり…)

「ザ・コンサルタント」、ぜひ見てください。これはお勧め。
あっという間に上映館が少なくなってとても残念な思いをしたけれど、これは日本での宣伝少なかったからなのかな。
なんでも続編も用意されているらしいので、アメリカではそれなりの評価を受けた映画だったのでしょう。
何より、ベン・アフレックの当たり役では?というくらい、ヒーローがはまっていたので。
もうすぐ公開されるベン・アフレック主演・監督・脚本の「夜に生きる」でも殺し屋?っぽい役をやるみたいなんだけれど、どうしても「ザ・コンサルタント」と比べてしまいそう(笑)

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2017年04月28日

三菱一号館美術館「オルセーのナビ派展」に行ってきました、の巻

■この展覧会も5月21日までらしいので、お出かけになる方はお早めに〜という気持ちも込めて、早めに記録しておきます。

■この展覧会、副題に「美の預言者たち〜ささやきとざわめき」とあります。
20170411ナビ派展.jpg

ナビ派、ってご存知でしたか?
不勉強をさらすようで恥ずかしいのですが、私は知りませんでした。
一緒に行った友人や、大学で美術史を修めた妹は知っているようでしたが、ポスターにもよくよく見ると、
「はじめまして、ナビ派です」
という文言が入っている。
「ナビ派」をまとめて企画展にするのも、どうやら日本で初めてらしい。なるほど。
んで、ナビ派って大体どういう人たちで、そもそも「ナビ」ってどういう意味なの?というところから、私は始まりまして。
ナビ派に属する人たちは、こんな人たちらしいです。

20170411ナビ派展2.jpg
あれ、よく見ると先駆者としてゴーガンがいたりする。
厳格には「ナビ派」ではないけれど、ナビ派の基礎的な考え方を示したのが、どうやらゴーガンらしいのです。
で、あと知ってるのは…ドニとかボナールとかは、知ってる。…でも、印象派に属する人たちだと思ってたよ。

…と、私が誤解していたのも当然で(←悪い開き直りの典型例です(笑))「ナビ派」というのはざっくりいうと、友達とその友達程度のごく少数(10人いないくらいの)が週末ごとに仲間の家に集まって芸術論をかわし(といっても雑談みたいなのが多めの、要するに「ちょっと上品な飲み会」みたいな感じだったらしい)、活動期間としては10年くらいで友好的に解散した…そしてここが「肝(キモ)」なんですが、

「お互いに『○○の預言者』『××の預言者』とあだ名をつけて呼び合っていた」

という…今でいうと、同人誌のサークルみたいな感じ?だったらしいのです。
え、もしかして「ナビ」って…「預言者」の事か!(笑)
わー中二病っぽいー(←名前を由来を知った瞬間の反応(笑))

実際「日本かぶれの預言者」とか「ズアーヴ兵の預言者」(本当に兵隊だったわけじゃなくて、髭を生やした風貌がそれっぽかったかららしい)とか、わー仲間内でわくわくしながら呼び合ってたんだろうなぁ、というほほえましい様子を妄想たくましくしてしまう、若手芸術家グループだったのだそうです。
(そして、そういう「仲間内できゃっきゃしている感じ」、嫌いじゃないです。むしろ基本的には大好物です(笑))

「ナビ派展を見てきたんだよ」
と妹にいったら、

「えー、いいな、ナビ派っていいよね。ほんわかしているし、色が優しいし、テーマになってるものも子供とか家の庭とか、あと猫多めの絵が多くて」

という答えが返ってきたのですが、もうこの妹の言葉こそ、百点満点の「ナビ派」だと思いました。
テーマが非常に身近で(隠れテーマとしてキリスト教の要素があるのは仕方がない。ヨーロッパはそのようにできてきたので)、パステルカラーが多用され、そして平面的でポップ。
「日本かぶれの預言者」(=ボナールの呼び名だそうです)がいることからもわかるとおり、「ナビ派」ができたころはパリ万博で浮世絵が紹介され(その前から、包み紙として浮世絵が使われていたりして、素地はあったようですが)、多くの画家が「ジャポニズム」に傾倒していたころでした。
言われてみれば、チケットに使われているボナールの「格子柄のブラウス」というタイトルの少女と猫の絵。
この白と黒のにゃんこは、歌川国芳が好んで描いたにゃんこの中にもでてきそうな猫ではありませんか。

ナビ派の絵は実際、とても目に優しい作品が多かったです。
ふわっとした色彩で、静かな日常を優しい目線で描きとる。ときどきそこに夢も交じって、ホッとする絵が多い。
私が特に印象深く、そして好ましく思ったのは、モーリス・ドニの「鳩のいる屏風」でした。
ドニが、恋人マルトと婚約したことへの喜びを一双の屏風に白と青のパステルで描き出した、天国のような屏風。
光る白が優しく、青はどこまでも澄んでいて、白いドレスに身を包んだ後姿の女性が、誰かの名前(もちろん、ドニの名前です)を木の枝に刻んでいる、そんな優しい絵。
ナビ派は「絵画も室内装飾のひとつである」という考え方を持っていたそうで、確かにその場になじむように主張の強い題材や色合いはあまり使われないのですが、でもよくよく見てみると、あちこちに程よく品よく(この「品のよさ」というのも、ナビ派の特徴の一つのように思われました)イコンがちりばめられ、静かなメッセージをまとわせています。本当にかわいくてきれい。

一緒に見て回った友人と、なんとはなしに、
「ああ、いいねぇ…」
とささやきあう…ナビ派なんてよく知らなかったけれど、見て回るととても心が穏やかになり、自然と微笑みが浮かぶような作品群の展覧会でした。
三菱一号館美術館の佇まいにとても似合う気もします。

玄人筋の方でないと知らないような、これ、という目玉になるような有名な作品がなかったせいでしょうか、館内は人も多すぎず、少なすぎず。
小さなささやきが時折聞こえてくる穏やかな空間で、確かに室内装飾としての絵画の役割を、ナビ派の作品は果たしているのだなぁ、と思いました。

こういう風なくくりで企画される展覧会は、たぶんなかなかないと思います。
心穏やかに過ごせるひと時を必ず約束してくれる、そんな企画展でした。

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2017年04月27日

「フェードル」を見てきました、の巻

■3月半ば以来、どうにもこうにも風邪が治りきらず、そればかりか4年ぶりに喘息の発作が起こるという体たらくで、いやはや今年の天候不順には大変痛い目にあわされました。三寒四温というにしても、「寒」と「温」の差が激しすぎるだろう!と。

■そんな合間合間を縫って、ぽつぽつと様々なものをご縁があって見に行ってまいりました。
で、順不同に、
「もうすぐ終わっちゃうけど、これは多くの人にぜひ見に行っていただきたい!!」
と切に願うものから(もう終わっちゃって少々悔しいものもあるのですが、巡回しているものもあるからまだ間に合うかな…)拙い感想などを記していきたいと思います。
というわけで、今回は「フェードル」から。
「フェードル」は現在渋谷の文化村コクーンシアターで上演されていますが、どうも4月30日までみたいです。
そのあと新潟、愛知、兵庫に回りますので、興味のある方はそちらでどうぞ。

■さて、今回はご縁あって「フェードル」の観劇チケットを入手することがかないました。
んーっと、具体的に言っちゃうと、とあるクリスマスパーティのビンゴで当たったのです。
なんでこんなことをわざわざ書いたかというと、私はいたってミーハーなたちで、綺麗なものは全て好き!という観点から、あさーくひろーく様々なものを見ております。が、人の好みというものは往々にして偏ってしまうもので…
つまりこの「フェードル」は、このような「偶然」がなければ、正直自分のアンテナには引っかからない系統の演劇だった、というわけです。
自分の間口は広くしておこうといつも心がけているのですが、この心がけはたいていいい方に転びます。
そしてこの「フェードル」は、心がけが大ヒットをかっ飛ばしたものでした。

■前置きが長くなりました。
「フェードル」の物語、これはギリシャ神話にその種を持つ舞台でした。
Twitterでアカウントをフォローしているギリシャ神話の現代の巫女(笑)・藤村シシンさんが偶然パンフレットにこの物語の下地になる神話を解説していらっしゃって、見終わってから「なるほど」と思ったのですが、そういう神話の下地を知らなくても、もちろん楽しめます。
現に私は大変楽しみました。
が、そういう「基礎知識」があれば、もっと楽しめること間違いない。
こういう、「ギリシャ神話」を教養として観劇するものに求める感じ、いかにも17世紀フランスの演劇らしい。原作はジャン・ラシーヌ。この脚本が書かれたのは、ルイ14世(ざっくりいうと、ヴェルサイユ宮殿の基礎を作って、パリからヴェルサイユに居城を移した人。「太陽王」の異名を持つ人)の治世でした。まだまだ芸術が庶民の手からは遠く、王侯貴族のものだったころの作品ですね。

あらすじはというと。
ギリシャ神話の怪物を次々に倒したことで名高い英雄・テゼの妻・フェードル(ミノス王の娘なので、血筋がいい。なにせミノス王の父親はギリシャ最高神のゼウスなのですから)は、夫・テゼの長期遠征中、深い心の病に悩み、今にもこと切れてしまいそうなくらい息も絶え絶えの状態で過ごしていました。
「心の病」の名はずばり、「恋」。
しかも相手は、夫・テゼの前妻の息子であるイッポリットでした。
血はつながらないけれど、関係からすれば「義母と息子」になるわけで、近親相姦に不貞、という二重の罪が初めから条件に入ってくる苦しい恋でした(ちなみに、フェードルはテゼとの間に子供もいます。でも、話の筋を聞いていると、フェードルは、テゼにイッポリットを紹介されたその時から恋に落ちた…一目ぼれだったようです)。
ところがこのイッポリットは、実の母が「アマゾンの女王」(異教徒の女王、くらいの意味みたいでした)だったこともあり、自分は長男でありながらテゼの正統な後継者とは思っていない、極めて真面目で女性に対しても潔癖な青年。そして、そんなイッポリットはひそかに、父王テゼが滅ぼした一族の生き残りの姫・アリシーに道ならぬ恋心を募らせていたのでした。

そんなところに、テゼ王が戦争で亡くなった、という知らせが入ります。
父を尊敬しながらも、アリシーを愛しているイッポリット。
夫を大切に思いながらも、義理の息子・イッポリットを愛しているフェードル。
二人にとってくびきであった「テゼ」という存在が、突然いなくなったもんだからさあ大変。

イッポリットはアリシーに恋心を打ち明け(アリシーもイッポリットのことを愛していました)逃亡しよう…なぁんてことを考えていたところへ! …突然イッポリットのもとに病み切ったフェードルが訪れ(ちなみにフェードルは、イッポリットへの恋心を隠すため、わざとイッポリットにつらく当たってきたので、イッポリットはフェードルのことを快く思っていなかったし、むしろ憎まれていると思っていた…なんて前提もあります)、
「私…実はあなたのことをずっと愛していたのおおおおお!」
と狂わんばかりの大告白され、イッポリットは茫然とします。
「何言ってんの、この女…」
みたいな感じです。でもフェードルはもう半狂乱なんで、イッポリットの茫然自失とした様子を見て、「受け入れられた」みたいな…なんか自分に都合のいい解釈をするんですよね。

ところが。
フェードルが一大決心をしてイッポリットに告白した直後に。
まさかのテゼ王生還!の知らせが届きます。

なんだって――――!?と慌てふためくフェードルとイッポリット。(余談ですが、この辺りがちょっと喜劇っぽくて面白かったです。「テゼ王」ってフェードルにとってもイッポリットにとっても大切で重い存在なんだけど、ちょっとうざい存在でもあるんですよね(笑))
とりあえず、イッポリットはフェードルの告白を「聞かなかったことにします」と返答。
だって、お父さんの奥さんが不貞を働こうとした挙句、その「不貞相手」が息子である自分だなんて醜聞、父王の不名誉、恥をかかせる以外の何物でもなく、これは父のために絶対に隠さなければならない、と…あくまでお父さんのことが大好きで、尊敬していて、そのために自分の中に秘密をため込むことにしたのですね。

ところがフェードルはもう精神がおかしくなっちゃってるわけで。
イッポリットは態度が冷たいし、自分に対しては不誠実だし、しかもイッポリットが自分の恋心を夫テゼに黙っているかどうかもいまひとつ信用していない。不信感の塊かつ恋心が抑えられない。
それを見かねたフェードルの乳母エノーヌは、一計を案じて、あくまでもフェードルのために、生きて戻ったテゼ王に、
「あなたの前妻の息子・イッポリットが、フェードル様に懸想していたのですよ!」
と告げ口してしまう。
フェードルを熱愛していたテゼ王は、怒り狂って息子・イッポリットを追放。イッポリットは、父王の名誉を守るため、「フェードルが自分のことを愛してると告白した」という「事実」も言わず、ただ、
「自分はアリシー姫を愛している。あの姫を、私がいなくなった後、囚われの身から解放し、手厚く保護してあげてほしい」
と言って旅立つんですね。アリシー姫にだけ、そっと「祖先の霊が祭られている神殿でこっそり落ち合い、二人で結婚式を挙げよう」と伝えて。
どこまでも生真面目な男です。

一方テゼはフェードルの乳母・エノーヌに、
「自分に嘘をつき、欺くイッポリットは追放した。でもイッポリットはアリシー姫を愛していると言っていたぞ」
と告げます。そのことをエノーヌから聞いたフェードルは正に狂乱の体に陥り、
「イッポリットはお前のせいで追放されたし、イッポリットは自分のことを好きだみたいに思わせたお前なんて、裏切り者だ!! もうお前の事なんて信じない!」
と激高し…大切に大切に育ててきたフェードルの怒りに触れたエノーヌは、絶望のあまり身投げして死んでしまいます。これで、フェードルがイッポリットに愛の告白をしたことを知っている人は、この世にいなくなってしまい…イッポリットは名誉回復の機会を永遠に失うことになります(ちなみに、エノーヌは結局、名誉回復されないまま舞台は終わってしまいます。そこだけはどうしても納得がいかなかったし…エノーヌだって一生懸命だったんだよ!とフェードルに訴えたい気持ちもふつふつとわいてきたのですが、そこがフェードルとその血統にかかった呪いの深さ、なのかもしれません…)

しかし、そのイッポリットも…
イッポリットを大切に大切に育ててきた侍従・テラメーヌが涙ながらに帰還し、テゼ王に報告します。
「津波に襲われ、四肢もバラバラになって死んでしまった」
それを聞いたフェードル、愛する人が死んでしまったことへの絶望と夫を裏切ってしまったことへの罪の意識に疲れ果て…毒をあおってふらふらとテゼの前に現れ、自分の罪を告白し(つまり、イッポリットは無実で、罪を着せたのはエノーヌだったこと)、そのまま死んでしまいます。ある意味、憤死・狂死だったのでしょうか。

一方、イッポリットの死の場面に遭遇したアリシー姫は、死んだ恋人の血濡れた着物の切れ端を握り、悲嘆にくれます。
その様子の哀れさと、イッポリットを息子として愛していた気持ちを取り戻したテゼは、同じくイッポリットを愛していたアリシー姫を自分の養女とし、イッポリットの遺言通り、手厚く保護することになったのでした…

という、激アツなお話でございました。
ふう、疲れた(笑)

ちなみに、私はこのお芝居について事前に勉強したり情報を入れたりすることなく見に行きました。
勉強しなくても、この内容は全て把握できました。まあ多少、「ギリシャ神話の世界だから、『怪物』が実在したってテイなんだろうな」と自分に言い聞かせてみていたところもありますが、そういうちょっとすんなり咀嚼しきれなかったところも含めて、舞台が理解できなかったということはありません。
それは、元々の戯曲が優れて人の心理を突いた言葉が豊富であったこと、そしてその「心理」は普遍性を持っていたこと、翻訳がとても親切で平易でありながら音律が美しくすんなり頭に入ってきたこと。
そして何より、俳優さんたち皆さんの圧倒的な演技力があったからでしょう。
これらすべてがそろっていなかったら、こんなにもすっと私の頭にも胸にも入ってこなかっただろうし…何より、感動もしなかったはず。

■フェードルを演じたのは大竹しのぶさんでした。第一場にフェードルは登場しません。登場するのは二場から。
登場した途端、大竹さんのフェードルは、つー…っと、涙が頬を伝っている状態でした。
しかしセリフはよどみなく。受けて立つ乳母・エノーヌを演じたキムラ緑子さんと、「これって詭弁なんじゃ?」と思うほど過剰にお互いの思いのたけを語り合います。
なんでしょうね、日本の文章は和歌の五七五七七みたいに、できるだけ文字数を減らすことでその中の音や奥行を味わう感じなんですけど、欧州文化は、自分の「情動」を理性的な言葉を尽くして微に入り細に入り説明せずにはいられない感じ…なのですね。説明しても説明しても、自分の心を語りつくせない。その語りつくせない心をできるだけ美しい言葉を選んで歌うように叫ぶ。
正直、「圧」を感じて…見ていて疲れました。
疲れて、「これ、幕間とかないのかな〜」とか思ったのですが(そういう情報すら入れていなかったということで(笑))、この舞台、途中で休憩入れちゃうと、緊張感がなくなって、見る方も集中できなくなっちゃう。
イッポリットとフェードルの間にできてしまった「秘密」がいつばれるかとハラハラするし、狂気と理性の間をふらふらとあるくフェードルに振り回されるし、でもこんなに緊迫感あるのに、エノーヌのセリフで笑っちゃうところもあるし。

約2時間、私自身の中にあるあらゆる感情…特に、私に著しくかけていて、非日常的ですらある「恋愛」の情を揺さぶられて、見終わった瞬間、全身の力が抜けるような、なにかぽかーんとしたような気持を味わいました。
あんまりいろんなことを言われて、セリフの速度で物事を考えていたから、頭が沸騰してその熱量で空でも飛んじゃいそうだったのに、舞台が終わると同時に一気に地上に引き戻された感じ。

これ、毎日やってるんだよね、演者さんたち。
毎日毎日、たった2時間の間に感情が上下したら、病気になっちゃうんじゃないの…?
俳優って…本当にすごい職業だな…

そんなつまんないことを考えたり、誰か一人の人にここまで熱狂する体力と情熱が自分にはあるか?とか、言葉って美しいな、語るだけで音楽になるんだなぁ…なんてことを次から次から自分の中で想いと考えが止まらなくなる、そんな経験をしました。

余談ですが、父を敬愛してやまない真面目で清廉な(その分小さくまとまっちゃって父のような英雄にはなれないと悟っちゃってる)イッポリットを演じたのは、平岳大さんでした。
平岳大さんといえば、昨年、父・平幹二朗さんが亡くなられたことが想い出され。
テゼ王とイッポリットの親子関係の向こうに平親子の関係性も見えるようでもあり、それはそれで切なく思いました。個人的に。

■舞台は黒と赤を基調に、そこが金がさし色として入るような、とてもモダンなつくりになっていました。
パンフレットを読むと、今、新国立美術館に来ている「スラブ叙事詩」を描いたミュシャが描き、それによってミュシャが大成功をおさめるきっかけになった女優サラ・ベルナールも、このフェードルを演じが事があったそうです。
フランスのミューズの一人であったサラ・ベルナールは、どんな風にフェードルを演じたのだろう。
彼女の「フェードル」にもまたきっと、私は心を激しく揺さぶられただろう。
そんなことを思いながら、劇場を後にしました。

とにかく激アツな舞台です。
そして「いいもの見た!」という爽快感に包まれること間違いなし、の濃密な舞台でした。
機会があればぜひどうぞ。

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posted by Lilalicht_8 at 21:52 | Comment(0) | 観劇録

2017年04月15日

自分のメモのための、取りこぼし一覧、の巻

■昨日来、突然花粉症の症状が劇症化しまして、本日考えるのがうっとうしい感じになっています…
なので、今日は自分のメモのための取りこぼし一覧を💧

これまで見てきて、感想を取りこぼしているもの…

映画「3月のライオン」前編
「これぞ暁斎!」展
地唄舞の公演
ティツィアーノとベネツィア派展
クラーナハ展
新感線「髑髏城の七人」
ミュシャ展
オルセーのナビ派展

今後ポチポチ感想を書いていきます。
宜しくお願いしまーす⤴

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posted by Lilalicht_8 at 18:17 | Comment(0) | 雑感

2017年04月10日

今月のネイル

大変ご無沙汰しました!
3月はほとんど体調不良で伏せっていて、4月はなんだかんだミッションがあり、こんなに更新できずにおりました…
前の更新が…え? 今月のネイル? てことはもう1ヶ月たった? 早すぎ!((((;゚Д゚)))))))
人はこうして…(以下略)

ということで、この間にも色々見てきて、たくさんのキラキラをもらってきたのですが、先に今月のネイルを!

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爽やかな5月の訪れを待つ、青いマーブルと、青いミラーネイルです。
青いマーブルは、ティツィアーノの描く青空をイメージしました。
明日からは通常運転に戻ります。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
posted by Lilalicht_8 at 18:07 | Comment(0) | 今月のネイル

2017年03月29日

映画「愚行録」を見てきました、の巻

■喘息がぶり返して、しばらくパソコンから遠ざかっておりました…
あまりに咳が止まらないので、かかりつけの病院に行ったところ、
「やあ、4年ぶりだね!」
と先生に言われまして。
え? 私、4年前も喘息だった?(笑) 
4年前といえば、今だから言えるのですが、心身ともにパニック状態で体調もすこぶる悪く、子供の時以来の喘息の発作を…そういえば起こしてたよ(笑)
今回も、ちょっとした山場を越えたところだったので、気が緩んで出てきたようです。きっかけは、3週間ほど前の高熱なのですが。
とりあえず、肺に異常はないと言われて安心しました。

気温も気圧も変わりやすいので、それぞれに体調を崩していらっしゃる方も多いかと思います。
皆様どうぞご自愛くださいませ。

■といったところで、ペンディングにしているものも色々あるのですが(もう一回見に行ってから感想を書きたい、というのが主な理由です)、映画「愚行録」を見たので、その感想など少し記録しておきたいと思います。

本当は昨日、今話題の「ミュシャ展」を見に行く予定だったのです。
ミュシャ展は企画展だし、期間中は休みはないだろう…なんて思っていたのですが、これが本当に勘違いの思い込みのすっとこどっこいでして💧
火曜日は休みだったのです。国立新美術館…
そのことに当日に気が付きまして、急遽映画を見に行くことにしました。
といっても、「3月のライオン」前編はもう見ちゃった。
「ラ・ラ・ランド」は自分の好みに合わない(ミュージカル映画は好きなのですが、なんというか…この映画からほのかに漂ってくる「雰囲気」が、私の本能を刺激するのです、「見に行くな」と(笑))。
んー、どうしようねぇ…というところで、突然思い出したのがこの「愚行録」でした。

「愚行録」、原作は読んでいます。
湊かなえさんの登場である意味確立されたといってもいい「嫌(イヤ)ミス」に、カテゴライズされる作品だと思います。
読後感が悪い。
と同時に…うーん、どうなんだろう…私は湊かなえさんの書く作品の作風や文章のリズムが肌に合わないので、積極的に読まないし他の人にお勧めもしないのですが、この「愚行録」を読み終わって、「湊さんはやっぱり、嫌ミスのジャンルでは抜きんでてるんだな」と思ってしまいました。
愚行録の作者・貫井徳郎さんは、デビュー作の「慟哭」が好きだったので(思えばあれも嫌ミスだったのですが)読むこと自体にためらいはなかったのですが、「愚行録」はそれほどでもなかったかなぁ、なんて。

原作に対してはそんな風に思っていたのですが、それでも映画を見に行こうと思ったのはなぜかといえば、ひとえに、主役が妻夫木聡さんと満島ひかりさんだったからです。

そしてその目論見は見事に当たりました!!!

いやあ、よかったですよ、映画「愚行録」。
話は確かにあまり気持ちのいいものではないのですが、映画としての出来がいい。
この作品、「オフィス北野」が制作に名を連ねていまして、そう、あの北野武監督の事務所ですね。
そのせいか、いわゆる「北野ブルー」へのオマージュなのでしょうか、常に画面が青いフィルターをかけたような青みがかった淡くて落ち着いた色を出していたんですね。
この青い画面の効果が、話の毒々しさをかなり軽減してくれていて、確かに後味の悪い話なんだけれど、かなりその後味の悪さを軽減してくれている。
また、この原作が「映像化不可能」と言われた理由である「複数の登場人物それぞれが『事件について証言する』一人称語り」をとてもうまくまとめていて、原作を読んでいない人にもきちんと話が伝わるように作られていたこともポイントが高いです。原作の「証言者」が何人か削られていたのと、原作にはいない登場人物が映画の中に作られたことなど、変更点もありましたが、不自然さを感じさせなかったのは素晴らしかったです。

何より、登場人物全員が素晴らしい!
キャスティングがいいんです。それぞれの人たちが適材適所で、それぞれの人物にピタッとはまっていて違和感がない。みんなさん演技が素晴らしく、それぞれの熱演に食い入るように見入ってしまいました。

妻夫木さん、満島さんがはまり役で想像以上に凄まじい演技を見せてくれたのももちろんよかったのですが、ここはあえて「証言者」の一人を演じた臼田あさ美さんについて。
物語は1年前に起こったとある一家の惨殺事件を週刊誌記者である田中(=妻夫木聡)が、一家の関係者一人一人に当たって証言を求める、という形で進んでいきます。
臼田さんはその「証言者」の一人なのですが、これがものっすごく嫌な女で…原作でも嫌な女なのですが、臼田さんが醸し出す空気とか、セリフとセリフの行間の溜息とか、煙草の煙すらもいや〜な感じ伝わってきて、迫力がありました。彼女の演技を見られたことも、この映画を見てよかった!といえる要因の一つに間違いありません。いい女優さんですねぇ。

ほとんど語らず、証言者たちの話を聞くだけの田中記者の「言葉にならない心の叫び」を、眉をしかめる、などの微小な表情の演技だけで伝えきった妻夫木さんの演技の凄味。
目の前にいる人すら見えてないような人形のような瞳で、人間の「魂の死」を伝えてくれた満島さんの切ない演技。
どれもこれも取り上げればきりがないのですが、本当に見ごたえのあるまさに「熱演」の応酬で、約2時間を堪能しました。

繰り返しになりますが、話はとても後味が悪いので(笑)気持ちが疲れているときにはお勧めできませんが、充実感のある映画を見たい時には、たまにはこんな映画もいいんじゃないかな、と思います。
そういう意味で、とても面白い映画でした。
元気な時に、ぜひどうぞ。

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posted by Lilalicht_8 at 22:35 | Comment(0) | 映画

2017年03月24日

大エルミタージュ展を見てきました、の巻

■見に行った順番はかなり違ってしまいますが、まずは大エルミタージュ展から。

「大エルミタージュ展」は六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催されています。
現在同じ六本木地区にある国立新美術館で「ミュシャ展」と「草間彌生展」が行われていることもあり、若干地味な印象を受けます。
ちょっと話がずれますが、現在六本木地区には大きなところで、国立新美術館、サントリー美術館、そして森美術館と森アーツセンターギャラリーがあります。
六本木といえば一大歓楽街、遊興地区、といったイメージがあるかと思いますが、元々は大名屋敷が数多く占め、また戦前は陸軍、戦後は自衛隊の基地があった場所。それが一度「危ない風俗の街」になり、今また文化の街へと変わろうとしている…というとてもユニークな土地の歴史があります。

その「文化芸術の街」への大変革の第一歩が、この「森美術館」「森アーツセンターギャラリー」だったと思います。

実際、森美術館・森アーツセンターギャラリーの展覧会は非常に挑戦的かつ前衛的な企画が多く、学芸員の方たちの個性や努力がとても伝わってきて、いつもとても満足して美術館を後にしています。
今回のような大物の企画展はもちろんのこと、ちょっとした地味目の企画展であっても、時間の許す限り見に行こうと努めています。
もし東京に来て、時間が余るようなことがあれば、六本木地区の美術館の存在をちらっと頭の片隅に置いておくと、ちょっとお得かなと思います。お勧めです。

■さて、話を戻して「大エルミタージュ展」。
今回の目玉はクラーナハの「聖母子像」。うーん、今年は日本でクラーナハを大量に見てるな。いい時代になりました。
エルミタージュは、ご存知の通りロシア帝国ロマノフ王朝の冬の離宮でした。
そこにドイツ出身の女帝・エカテリーナ2世がドイツの美術品を収集し始めたのが、「エルミタージュ美術館」の元になったのだそう。
今回の展覧会の一番最初の絵画が、エカテリーナ2世の大きな肖像画だったのは、なかなかに心憎い演出。
エカテリーナ2世というと、旦那である皇帝に対してクーデターを起こした豪傑、というイメージがあったのですが、この肖像画のエカテリーナ2世は実に慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、優し気に描かれていました。
この方のバックグラウンドのあれやこれやを見ると、だいぶこの微笑みに対して「えええ…?」という疑念を抱いてしまうのですが、うん、まあ、人にはいろんな側面があるからね…きっとこういう優しそうな気質もあったんだろう…少なくとも、冷酷な人ではない、むしろ情に厚い人だったのかもしれませんね。

ロシアというと、未だ旅行するのにビザが必要で、あらかじめ旅程も提出しなければならない、など、あまり気軽に行ける国ではない、というイメージがあります。
最近、安倍首相とプーチン大統領が会談し、まずは経済協力から始めましょうか、なんて話になっているので、近いうちにビザなしで観光旅行ができるようになるといいなぁ、そうなったら行きたいなぁ、というくらいの気持ちの距離があります。
なので、しばらく旅行でロシアにはいく予定はない感じ。
だからこのように美術品・芸術品の方からこちらに来てくれるのは、またとないチャンスです。

特に今回は私が好きな時代…ルネサンスからロマン主義くらいの作品が多く展示されているとのことで、これは見に行かねば!と思っていた企画展でした(ちなみに今回の作品群は「オールドマスター」という年代的なくくりでまとめられていました。オールドマスターという言葉があるんですね。知らなかったです)。

その「オールドマスター」の得意分野といえばなんといっても宗教画。
今回もバトーニの美しい「聖家族」や、レンブラントの「運命を悟るハマン」(これは演劇を見るような絵画でした! 聖書の場面をこういう風に切り取るのか〜とかなり感動しました。ちょっと日本の漫画(劇画)っぽい感情表現がされています)など、「おお〜やっぱり宗教画面白いな〜」と見入る作品多数。
他にも、静物画や風景画のえりすぐりの作品が数多く来日していました。

さて、今回の目玉作品は、先に書いた通りクラーナハの「聖母子像」。クラーナハらしい、蠱惑的だけれどひんやりとした印象の、緻密な作品でなるほどこの完成度は目玉になるにふさわしい。
けれど私が一番心惹かれた作品は、スルバランの「聖母マリアの少女時代」という作品でした。

聖母マリアは修道院で少女時代を過ごし、その間裁縫をずっと学んでいた、という伝説があるそうで、この作品はその伝説を描き起こしたものでした。
赤いシンプルなワンピース(ほとんど貫頭衣といってもいいほどのシンプルな装いです)を着たおかっぱ頭のあどけない少女が椅子に座り、膝の上に作業途中の繕い物を置きながら、ふっと天井に目線を上げてひっそりと祈っている…そんな絵です。
今回の音声ガイドは今や作家としての知名度のほうが高いんじゃないかと思われる又吉直樹さんが担当していましたが、このガイドの中で又吉さんが語っていた通り、モデルの少女に対するしみじみとした愛情がにじみ出ている作品でした。
それもそのはずで、「聖母マリアの少女時代」のモデルはスルバランの娘だったのだとか。
愛しい娘の素朴さと清潔感、そしてそこから垣間見える日常の中にある高貴さを、深い愛情と洞察力を以て描いた、胸をぎゅっとつかまれるような作品でした。
もしかしたら、この作品を見られたことが、この企画展の最大の収穫だったかもしれません。
そのくらい美しく、でも決して「大作」とは呼ばれないだろう、「こっそりと胸の中に収めておきたい」密度の高い作品でした。絵画を見て、こんなにほのぼのと深い愛情に感動を覚えたのは、久々かもしれません。「久々」の前回がどのくらい前でどの作品だったかも思い出せないくらいに「久々」。
この「聖母マリアの少女時代」はできるだけ多くの方に見てほしいなぁ、と願ってやみません。

「大エルミタージュ展」というのは、ちょっと大仰に過ぎるかなぁ、と見終わってから思わないでもありません。
なぜなら、一つ一つの作品は「大作」というより「深みのある」作品だったから。
ただ、「深い」を表す的確な言葉が見つからないのであれば、「大エルミタージュ」と冠するのも仕方がないのかなぁ…なんてことを考えました。
「深エルミタージュ展」じゃ意味が通じないですものねぇ。
でも「大」というよりは「深」エルミタージュだと感じたのですよ。

その「深さ」は是非直接ご覧いただきたいと思います。
「大エルミタージュ展」には、滋味深い作品がたくさん集められた企画展でした。

☆東洋占星術のひとつである「算命学」について主に取り扱っているブログ「Wheel of Fortune」も再開しました。☆

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posted by Lilalicht_8 at 22:45 | Comment(0) | 展覧会

2017年03月23日

いろいろ見てます、の巻

■かーなーり、ご無沙汰しました!
高熱を発したのはもう2週間前になるのですが、まだ呼吸が苦しい瞬間がありまして💦
人と長く話しているときとか、一番ショックだったのはお風呂に長く入れなかったとき。
息が続かなくて咳き込んだりしています。
主治医の先生には、この症状があと一週間続いたら、肺のレントゲンを撮るように、と言われています。
まあ、多分何もないのでしょうが、「何もない」ことを証明するのも大切なことですし!
まずはレントゲンを撮らなくて済むように、早寝早起きののんびりした生活をしようと心がけています。

■さて、そんな状態ではあるのですが、あちこちに出歩いて色々見てますよ〜⤴
映画「3月のライオン」前編見てきました!
「これぞ暁斎!」展見てきました!
地唄舞の公演を見てきました!
「大エルミタージュ展」を見てきました!
それぞれに印象深く、また感慨深いので、自分の記録と記憶のためにも、順番に感想を書いていく予定でおります。どうぞしばらくお付き合いください。
…というか、どれもみんなもう一回見に行きたい(笑)

日々色々とものを考えて過ごしていますが、今猛烈に感じているのは、「勉強をしたい」という欲でした。
今の私には、インプットが足りていない。
社会人になるとアウトプットばかりで、どんどん自分の中身が空っぽになって、まるで出がらしのお茶のように味気ない人間になってしまう…そんな気持ちに今、とてもなっています。
仕事に直結しない、人からは「雑学」と笑われてしまうかもしれないけれど、そんな果てしない知識に対する貪欲さが、私の中にふつふつと湧き上がっています。
多分、そんな「欲」に突き動かされて、あれこれジャンル問わず、見物に行っているのでしょう。
知らないことを知る、というのは、人間だけに許された最高の快楽。
そんな言葉があったなぁ、としみじみと思い出している今日この頃です。

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